女子凶服の色彩について

女子の装束において、神喪祭(当会ではあえてこの文字を使用します)に奉仕するときに着用する凶服はすべてグレーの「鈍色」あるいは「白橡(つるばみ)」であることが多いようです。

有職故実の世界では、女子の忌色として鈍色や青鈍色と並び、柑子色(こうじいろ)や萱草色(かぞういろ)を袴の色として平安時代以降用いてきました。宮中においては今でもその制度が受け継がれています。

服喪や祭儀に奉仕する気持ちを大切にしつつ、ただ陰鬱な色を用いれば良いというわけではないという、女性としてのたしなみ心を形に表した、とても意味深い色遣いであると思います。

これからは神喪祭も増加してくると思いますが、凶服装束を誂えるに際しては、有職故実を重んじてしかも女性としての控えめな美しさを表現した、これらの色彩を取り入れられてはいかがかと、綺陽会では提案いたします。

鈍色 青鈍 柑子色 萱草色 白橡